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桜吹雪が舞い散る頃。私と彼女は初めて出合った。

白子のように白く、それでいて滑らかな曲線美の持ち主だった彼女に

私が虜にならないはずはなかった。

彼女との出会いは必然。

引き寄せられるように2人は結ばれたのだ。

私は今でも、そう信じている。

どこに行くにも一緒。

君は私から片時も離れようとはしなかったね。

5年前一緒に行った群馬旅行で、あやうく心中しかけた事は

一生の思い出になるだろう。

だが、お別れだ。

君は頑張りすぎた。

足を引きずる君の姿に、私はもう耐える事ができない。

世界2周できるほどの距離を

2人で走り抜いた事を、私は絶対に忘れない。

今回の車検が、

潮時である。

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講習会場に着くと、すでに受付付近に人だかりができていた。

ざっと見ても200人はいたと思う。

不動産関係の講習会らしいのだが、集まった人たちの格好はかなり派手だった。

貴金属、特にブレスレットの着用率が、尋常ではない。

しかも、銀ではなく明らかに金の割合が高く、みな一様に強面だった。



スーツはダブルでネクタイに関して言えば、まるでそこが動物園であるかのような賑わいを見せていた。

セカンドバックは、レノマが人気だ。

と言うかぶっちゃけ、みんな力也だった。

右を見ても、左を見ても皆、力也。

そんな200人の力也と一緒に受ける講習会が、「宇宙人への手紙」。

私の胸は弾んだ。

その後も、講習会場には、宇宙の話を聞きに力也が集まってきた。

会場の席に着く私と力也達。

会場は力也で溢れかえっていた。
 
 
 
力也に囲まれながら受付を済まし会場に入ると間もなく講習会が始まった。

テーマがテーマだけに会場の力也達に緊張感はなかった。

ある力也は携帯で豪快に話をしていたり、

ある力也は、となりの力也と、そのとなりの力也を交えて談笑していたりと、

会場にはかなり緩い空気が流れていた。

一体どんな講師が登場するのか



「みなさんこんにちわ!今回の講義をさせて頂くオヤマです。」

「まずはこの写真をご覧下さい」



少し白髪まじりで細身の体系の彼が、今回の講師オヤマさんだった。

オヤマ先生は慣れた口調で前面の大きなスクリーンを指差した。

スクリーンに2人の人物が映しだされると力也がいっせいに身を乗り出した。

写真の一人は、オヤマ先生だとわかった。

そして驚くべき事に、彼の横に映っていたもう一人の人物はみんなが知っている人だった。

彼の横に映っていたのは、向井千秋さんその人だった。

最近ドラマにもなったあの向井千秋さんだ。

これには私も驚いた。
 
 
 
「この写真は、私が宇宙センターにいた時に撮ったもので…」
 
 
 
その後、パシパシと映し出された写真にも世界的に有名な宇宙飛行士と、

オヤマ先生が映っていた。

気付くと私は次々と映し出される写真を食い入るように見ていた。

力也達も真剣に見ていた。

啓発系とか言ってしまったがとんでもない。

オヤマ先生は、宇宙飛行機の発射基地で有名な某宇宙センターに在籍し

映画とかでよく見るNASAとも深いつながりのあるガチの人だったのである。

オヤマ先生の話は、専門的でありながら話を噛み砕いた、至極わかりやすい内容だった。



・月面着陸に至るまでのアポロの話。
・月の欠片の話。
・無人探査機ボイジャーは10万年飛び続ける話。
・いずれ人類はスペースコロニーに住むようになる話。



興味深いマジな宇宙の話に私は興奮した。

もちろん数人の力也は寝ていたが3時間は、あっという間に過ぎていった。

結局「宇宙人への手紙」というのは、単に宇宙人に手紙を書くという事ではなく

これから先、人類が宇宙へと旅立つ事へ向けてのオヤマ先生の「夢」の話だったのだ。



しかし、私は何ともいえない物足りなさを感じていた。



非常にフン詰まりな感じ。

それは、先生の講義に対してではなく、ブログネタとして物足りなさだった。

きっと力也も同じ事を思っているはずだ。

そして、講義後の質問タイム



「それでは、質問のある方がいましたら挙手をお願い致します。どんな質問でも結構です。」



手を挙げる力也はいなかった。

そして、数秒の沈黙の後一人の男が静かに手を挙げた。



「そこの作業着の方。どうぞ」

「貴重な講義をありがとうござました。非常に興味深く拝聴させていただきました…」

「ありがとうございます。」

「非常に失礼な質問かと思うのですが、前から気になっている事がありまして…」

「はい、なんでしょう」

「あるゴシップ誌で、実は月面着陸が嘘だったと言われているのですが、その件について先生のご意見を伺わせて頂きたいのですが」


     
この質問に会場の力也達は一気にどよめいた。

これは、先生を困らせようとか、そういうのではなくブロガーとしての発作だったのだと思う。

言い忘れてましたが、質問者は私です。

そしてオヤマ先生は、私のどうしようもないこの質問に対しもの凄く丁寧に回答。

月面着陸時の写真を交えつつ、私の疑念を晴らしてくれたのだ。

全く怒る気配もなく、また変な目で私を見る事なく一生懸命、わかりやすい説明をしてくれた。



というか、これはネタの為とは言え絶対してはいけない質問だった。

今思うとものすごく失礼だったと思う。

講義終了後、私はたまらず先生に謝罪しに行った。

すると先生は

「よく聞かれることなんで気になさらないで下さい。それより、私の講義で少しでも宇宙に興味を持って頂けた事が嬉しいですから。」

と言ってくれたのだ。本当にいい方だ。

おそらく先生は宇宙のように広い心の持ち主なのだろう。

そして私は宇宙一のバカだ。

ただ唯一救いだったのは、

私の質問に数人の力也が同意してくれた事だった。

力也もバカ!

 
 
 
ある朝、私は社長からある場所に行くように命じられた。

渡された資料によるとある有名人を招いて講習会を開くとの事だった。

内容は「来る未来へのプレゼント~宇宙人への手紙~」と書かれていた。

ほう。

なかなか面白そうな内容だ。

なんとなく自己啓発っぽい感じはするが、気のせいだろう。

とりあえず座って話を聞いていればいいみたいだし。

私は、社長から説明を受けると

やりかけの仕事を放棄し、足早に講習会場へ向かうのだった




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●トナリグミ  ●Author→組長

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