「ねえ、いいでしょ?」

「だーめ」

「えー、なんでー」

「そういう事は簡単に言うもんじゃないだろ」

「じゃあ、本気で言えばしてくれる?」

「そういう問題じゃないの」

「じゃあ、どういう問題なの?」

「もう、いい加減にしてくれよ」

「やーだ、やーだ、しーたーい」

「なんで俺なんだよ」

「だって大好きなんだもん」

「・・・」

「ね?ちょっとだけでいいから、お願い?」

「・・・じゃあ、いいよ」

「え、ほんと」

「一回だけだぞ」

「うん」

「ったく、どこで覚えてきたんだよ・・・」

「ひみつ」





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「ねえ、やっぱり危ないよー」

「心配すんなって。だいじょうぶだよ」

「見つかったら怒られちゃうよ」

「無人駅だし絶対見つかんないって。つーか、俺こっちに降りちゃってるし」

「もう・・・」

「いくぞ、せーの・・・」

「よっ、と。」

「な、全然平気だろ?」

「う、うん」

「どうだいこの景色、すごいだろ?」

「・・・え、うん」

「あれ、すごくない?」

「ううん・・・すごいと思うよ」

「だろ。線路が真っ直ぐのびててさ気持ちいいよな」

「・・・うん」

「どうした?なんか変だぞ」

「いや、あの・・・」

「気分でも悪くなったのか?」

「ううん、さっきから手をつないだままだなあ・・・なんて」

「あ、ごめん!」

「あの違うの!嫌とかそういんじゃなくて・・・その・・・」

「俺の手が汗ばんでてキモいとか?」

「ちがう、そうじゃないよ」

「ひどい事を言うね、お前も」

「もうwww」

「・・・」

「・・・」

「いい眺めだろ?」

「うん」

「小さい頃からこの景色が好きでさ、よく見に来てたんだ」

「へえ、そうなんだ」

「それでな・・・この景色をお前と一緒に見れたらいいなーとか思ってて・・・まっすぐ、どこまでも続くこの線路みたいにさ・・・2人で歩いて行ければ最高だなあ、とか・・・って何言ってんだ俺は・・・ははっ・・・」

「・・・」

「あ、あのさ・・・その、俺・・・ずっと前からお前の事が・・・す」

「ねえ!線路の上歩かない?」

「え?」

「あっちまで歩いて行こうよ。ほら!」

「え、ちょ、待てって」

「楽しいよ、ほらー」

「ったく・・・」

「ねえねえ、これなんかの映画であったよね。線路沿いをみんなで歩くの」

「ああ、えーっと、スタンドバイミーだっけ」

「そう、それそれ。」

「いい映画だったよな。青春って感じでさ」

「うんうん。で、途中で電車来ちゃうんだよね」

「そうそう、ギリギリで川に飛び降りてな」

「ねえねえ、今電車来たらどうする?」

「そうだなあ・・・」

「めちゃめちゃ怖いよね」

「まあ、とりあえずひとつ言える事は、もしそうなったとしても俺がお前を守るっつーか・・・むしろ電車を素手で止めちゃうくらい大事に思ってるっつーか・・・・好きっつーか、大好き・・・うん・・・・」

「あ、でも川が無いから横によければいいのか。」

「聞けよ人の話www」

「え、何か言った?」

「言ったけど、もういいです」

「ごめん聞こえなかった、なんて言ったの?」

「えーと、後ろからだとパンツ見えそうだよって言ったの」




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「はあ・・・」

「どうした、ため息なんかついて」

「なんかさ、お母さんが僕の事を嫌いなんじゃないかって思ってさ」

「ねーよwww」

「いや、それがあるんだって」

「絶対無いって。あんな優しい母ちゃんどこ探してもいないぜ」

「兄貴にはわからないんだよ。」

「わかるっつーの。」

「いや、わかってないよ。僕と兄貴でお母さんの態度が全然違うから」

「ばか。母ちゃんは俺もお前も平等に愛してくれてるよ。」

「全然違う。全然わかってない」

「つーかさ、母ちゃんがお前を嫌ってたら気付くって」

「いや、兄貴が気付くわけない」

「なんでそう思うんだよ?」

「兄貴は「その瞬間」を見る事ができないから。」

「は?その瞬間ってなんだよ、意味わかん・・・あ、母ちゃん帰ってきた!」


 
 
 
 
 
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「・・・」
 
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