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ある朝、目を覚ますと上半身裸だった。

横にはコカコーラの自動販売機、体の下に段ボールが敷かれていた。

頭には枕がわりに使ったクツが並んでいる。

そこが家ではない事はすぐにわかった。

しかし、どうしてそうなったのかはわからない。

酒か。

周囲を見渡すと見た事のある景色が広がっている。

大学に向かう通学路、その途中にある雑貨屋。

どうやら私はそこにいるようだった。

段ボールに座りながらクツに詰めてあったTシャツを取り出す。

もう片方のクツの中からは携帯と財布が出てきた。

酔いながら貴重品を盗られないよう工夫しているのがおかしい。



着信履歴を確認する。

14件の着信。

相手は全て「カオリ」からのものだった。

メールも数件あり、これも全てカオリから。

どれも私を探す内容だった。

とてもいやな予感がする。

とりあえず昨日何があったのか知りたい。

私はカオリに電話をかけてみる事にした。

数コールでカオリが電話に出る。

「ひろきくん?大丈夫?昨日からずっと連絡してたんだよ!」

カオリの声色から何となく怒っているのがわかる。

「ごめんな、よくわからないんだけど起きたら外で寝ててさ・・・」

そう言うとカオリは大げさに驚いた。

カオリの話から、昨日居酒屋でゼミの論文発表の打上げを行った事がわかった。

「ひろき君から誘ってくれたのに忘れちゃったの?」

カオリと言葉を交わしていくうちにちょっとずつ記憶が蘇ってくる。

「あのね、ゆう子とも昨日から連絡が取れてないの」

ゆう子?

ゆう子も一緒にいたのか。

確かに2人ではなく何人かで飲んでいたような気がするが、

それが誰なのかはっきりと思い出せなかった。

「とりあえずカオリからもゆう子に連絡してみて。また連絡する」

そう言ってカオリとの電話を切った。





カオリの話を整理すると、私と2人で飲み始め、その後ゆう子が合流。

居酒屋を出た後、カラオケでもいこうかと3人で歩いて向かっている途中で

私とゆう子がいなくなってしまった、という事だった。

私はともかく、ゆう子は女の子だ。

万が一、私と同じように外で寝てしまっていたら危険だ。



私は着替えをしに家に帰る事にした。

5分ほど歩くとアパートに到着した。

玄関の鍵を開けるとひんやりとした冷たい風が体を通り抜けた。

どうやらエアコンをつけっぱなしで出かけてしまったようだ。

短い廊下を通り6畳間の居間に入る。

コタツの上に弁当の食いカスと飲みかけのマミーが見える。

マミーなんて飲んだっけ?

床には洗濯物がきれいにたたまれておいてある。

はて洗濯物なんてたたんだっけな?

ベットを見る。

布団がこんもり盛り上がっている。

私の部屋は違和感で満たされていた。

とういか、完全に誰かいる。

誰かがいてベットで寝てる。




私は足音を立てないようベッドに近づき、

ゆっくり布団をめくった。

するとそこには、

行方不明のゆう子の寝顔があったのだった。



つづく
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●トナリグミ  ●Author→組長

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