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ミドル。


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高校時代、「ブッチャー」と呼ばれる先生がいました。
浅黒い顔で恰幅のよい洋梨体型。性格も短気で凶暴というあだ名のまんまブッチャー(プロレス選手)にそっくりな先生がいたのです。ブッチャーは体育教師であり、私が所属していたバレーボール部の顧問でもありました。高校3年間、私は女子のお尻を追い回す事なく、次々と投げ出されるバレーボールを追いかけ、そしてブッチャーに振り回され続けたのです。


練習ではエンドレスで体育館を走らされたり、意識がなくなるまで走らされたり、強制的に意識を戻され、また走らされたり、また意識がなくなったり、顔から床に倒れこんだり、動けないで横たわっているのにボールをガンガンぶちあてられたり、蹴飛ばされたり、ぶん殴られたりしてました。非情な鬼のスパルタ教育を受けていたのです。


特にひどいしごきを受けていたのが当時キャプテンを勤めていたカスヤでした。カスヤは練習中、事ある毎にブッチャーに呼び出され、彼に責任がない無い事であろうが関係なく叱責され、蹴飛ばされ、そしてぶん殴られていました。本当にひどかったです。


ある練習試合での事でした。均衡した試合の中、エースであったカスヤが決定的な場面で弱気なプレーをしてしまいました。本来であればアタックで攻撃するべきところを、フェイントでいなしてしまったのです。


フェイントは相手の隙をつくプレーで決まればうまいのですが、相手に読まれてしまった為逆にピンチを招いてしまったのです。結果、得点機を逃してしまったのはもちろんの事、逆に相手チームの反撃をくらってしまいました。そのプレーの直後でした。コートの中に突然激しい金属音と共にありえない回転の仕方でパイプ椅子が飛び込んできたのです。椅子を投げたのはブッチャーでした。


「審判、タイムだ!おい!」


私達はコートから高速でブッチャーのもとに走り寄りました。ブッチャーは他のメンバーなどには目もくれずカスヤを叱責し始めました。




「おい!カス!!」


「はい!」


「おい!」


「は、はい!」


「なんでフェイントしたんだ。おい!」


「はい…ぅ。あ、あの…」




ブッチャーは顔を真っ赤にしながらカスヤにフェイントした理由を聞きました。そして、明らかに自分の判断ミスだとわかっていたカスヤは理由を言いづらそうにしています。ブッチャーは相当な興奮状態です。




「理由を言ってみろ!!おい!」


「…ぅぅ…」


「言えって言ってんだろうがっ!!」


「あ、あの…あ、うぅ。」


「言えやコラ!!!!」


「あ、あれはですねブロックが3人ついて…」




「言い訳してんじゃねぇぇぇ!!!」




うそーん


自分で言えって言ったのに、うそーん。
わざわざ自分から質問しといて、何度も何度も言えって答えを促しておきながら、いざ答えを言ったら食い気味に言い訳すんなってぶん殴るんですかあなた。矛盾を矛盾と感じさせない非常に勢いのある矛盾とでも言うのでしょうか。じゃあ最初から殴れよって多分そこにいた全員が思っていたのですが、トランス状態のブッチャーにそんな事言えるはずがありませんでした。




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高3の春、私達は地区予選を2位で勝ち抜き春高バレーの予選県大会へ進む事ができました。あえなく2回戦目で敗退してしまったのですが、ここまで勝ち進む事ができたのは間違いなくブッチャーのおかげです。筋肉痛とゲロにまみれた非常に辛い3年間でしたが、今となってはイイ思い出です。




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(終)


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