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ミドル。


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ある一列だけ人が多いような気がした。
開放されているレジは4ヶ所。しかしその列だけ並んでいる人が多く見えた。並ぶタイミングとかで偶然そういう状態になっていたとしても少し偏りすぎてはいないか。しばらく様子を見ても、列に並ぶ人数の割合に変化はなく、進行速度がその列だけ速いというわけでもなかった。一体どういう事なのか。不思議に思いながらも私はその列に並んでみた。



午後6時というやや中途半端な時間帯にも関わらずスーパーは買い物のおば様達で一杯だった。カミさんから夕飯のおかずを買ってくるよう頼まれ仕事帰りにこのスーパーに寄ったのだが、まさかこんなにおば様達で溢れているとは思ってもいなかった。興味本位で異様に人が多い列に並んでしまった事に少し後悔し始めた時、ふと私が並んでいる列のレジ係の顔が目に入った。




レジ係は、男性だった。




白いYシャツに緑のエプロンをかけたその男性は、手際よく商品をピッピとやっていた。Yシャツを着ているところを見るとおそらくは高校生のバイトなのだろう。だらしなくない感じの無造作ヘアでほんのり茶髪。顔はなんとなくケミストリーの目がクリクリしている方に似ている。しかも混んでいる状況にも関わらず、彼は無愛想になる事なく非常ににこやかに接客をしていた。私は他のレジ係が気になり周りを見渡してみた。他の3つのレジ係は皆おばさんだった。




なるほど、そういう事か。




なんとなくではあるが、察しがついた。おそらく列の人数が偏っていた理由はおば様達のイケメン目当てによるものだったのだろう。きっとこれは野球場でビールの売り子が、男性よりも女性、女性の中でもかわいい子の方がより売上が高いのと同じ原理だ。どうせ同じビールを買うのなら若くてキャピキャピした女の子から買いたいし、おつりをもらう時にちょっと手が触れて嬉しい気分になりたい。きっとそれと同じだ。


家事に追われ、旦那との会話もなく、なんの張り合いもない日々を過ごしているであろうおば様にとって、ほんの2~3分だけあっても、たとえ他の列より時間がかかったとしても、イケメンにレジを打ってもらえる事が何よりの幸せなのだろう。だとすれば、




私はここに並ぶべき存在ではないのではないか。




その思った私は後ろに並んでいたおば様達をちらりと見やり、わざと列をはずれた。自分のとったその行動に後悔はしてないが、そのせいで帰りが遅くなりカミさんに怒られた。




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(終)


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