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「いいか坊主よく聞けよ。ある山奥にな、ジャックという男が住んでいたんだ。ジャックには家族がいなくてな、一人っきりで山小屋に暮らしていたんだ。広い土地に一面かぼちゃ畑を作ってな、それを売って生計を立てていたんだ。


ジャックが作るかぼちゃは一級品でな。どれも大きくて実がいっぱい詰まっていた。ほっぺたが落ちるほどうまいと評判だったんだ。しかし、ジャックは極度の人嫌いでな、村に住もうとはしなかったんだよ。かぼちゃを売る時に村に下りてくるんだが、その時以外は全く村人と話そうとしなかったんだ。そんなんでジャックはいつも一人だった。村人もそんなジャックを変人扱いしていたんだ。


で、ある時な。村の若い連中がジャックをからかいに行ったんだ。5人くらいだったかな。変人ジャックは山から出てけってな。家に石を投げたりジャックが大切に育てていたかぼちゃの畑を荒らしたりしてな。結構派手に暴れたんだ。どうなったと思う?


5人ともジャックにやられちまったんだ。体中傷だらけにされてな、夜中に泣きながら村に帰ってきてたんだ。全員素っ裸で手も縛られていた。村人達は驚いたさ。だってジャックは70過ぎた爺さんだったんだぞ。そんな年老いた爺さんが働き盛りの若い衆5人を手玉に取っちまったんだからな。化け物だよ。それ以降村人はジャックの事を馬鹿にする事はなくなったんだ。」


「その後、ジャックはどうなったの?」


「ジャックは、その事件があってから人が変わってしまったんだ。それまでは人嫌いの無口な爺さんってだけで周囲に迷惑をかける事はなかったんだが、自慢のかぼちゃ畑を荒らされたのがよほど気に入らなかったのかジャックは村を襲うようになったんだ。毎年秋の収穫時期になると村に下りてきて斧で家畜を殺したり畑を荒らしたり。最悪は村人にまで手をかけるようになったんだ。


ジャックは村人が寝静まった夜にやってきた。たいまつを片手に意味不明な言葉を叫びながら斧を振り回すんだ。そしてジャックは村を襲う時必ずかぼちゃの仮面をかぶっていた。人の顔のように目や口をくり貫いてあってな、それを頭にかぶって人を襲うんだ。」


「かぼちゃの仮面って…もしかして」


「そう、わしらの事だ。まあ、正確にはわしらの祖先にあたるのかな。今は仮面としてではなく収穫祭を彩るランタンとでしか使われないからな。」


「じゃあ、ジャックがぼくらを作ったって事?」


「さあ、どうだろうな」


「ねぇ教えてよおじいちゃん」


jack-o-rantern.jpg


+++
(終)


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