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その日、私は仕事で東京にいた。

得意先での打ち合わせを早めに済ませ、原宿も竹下通りに向かっていた。

久しぶりの東京に浮かれていた私は、スキップしそうなほどテンションが高かったのだが、

そこは36才2児のパパ、分別のある大人である。

半笑いで早歩きくらいにとどめておいた。




その日の竹下通りは平日だというのに、人でごったがえしていた。

さすが若者の街「原宿」である。

道行く人の9割が10代の若者であった。

しかも千葉で散見するジャージにヘルメットでママチャリ的な若者は皆無、

街はものすごくお洒落な若者で溢れ返っていた。




ソフトではなく、ハードの方のモヒカンの人や、

椎茸の裏っ側みたいなスカートをはいた人。

そんな人達が普通に歩いている。

仕事以外では、ほぼ毎日ユニクロを着用している私である。

歌舞伎スタイルとも言える最先端ファッションは非常に新鮮だった。





今回私が原宿に寄った目的は、子供にお土産を買う事であった。

作業着姿の私はなるべく目立たないように、それらしき店を探した。

そして、通りの中ほどまで行ったあたりで、

おそらく女子が好んで入りそうなかわいらしい雑貨屋を発見した。

道に溢れんばかり商品群。カラフルな色彩。

おもちゃや小物類がきれいにディスプレイされていた。




中でも店の奥に飾られた「子分」という文字がバックプリントされたTシャツが良さそうだった。

きっと息子が着たらめちゃくちゃかわいいに違いない。

あのTシャツを着て私の後をテクテクついくる息子の姿を想像しただけでニヤニヤが止まらなかった。

私は吸い寄せられるようにその店に入っていった。





そして店内にいた女子群から汚物を見るような視線をビシビシと浴びながら

私は目当てであるTシャツエリアにたどり着いた。

お目当てのTシャツを手に取ってみる。やはり可愛らしい。

3色あるカラーバリエーションの中でも、濃紺に白字で「子分」と書かれているタイプが気に入った。

文字の感じが毛筆っぽいのも私好み。

あとはサイズを確認して会計を済ませるだけだ。

私は、レジの店員さんにサイズを聞いてみる事にした。






私 「あの、すいません」

店員 「はい」

私 「このTシャツのサイズ゙を教えてもらいたいんですが」

店員 「いいですよ」

私 「この子供服なんですけど、95のサイズってあります?」

そう言って店員さんにTシャツを手渡すと、

予想だにしない言葉が返ってきた




「これ犬用なんですけど。」




全てが終わりをつげた瞬間だった。

店員さんをはじめ、会計で並んでいた女子達もみんな笑っていた。

恥ずかしい、いや、超恥ずかしかった。




店員 「一応、これがシッポを出す穴なんですね」




店員さんはシッポを出す為にあいている穴を指さしながら、

そのTシャツが犬用である事を丁寧に説明してくれたのだが

もう勘弁してくれませんか?

私は、心無く「気付きませんでした」とだけ言い残し店をあとにした。

恐るべし原宿。




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●トナリグミ  ●Author→組長

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