上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。






長い長い冬を超え


ようやく俺に春が訪れようとしていた。


ついに彼女ができたのである。


お母さんにはかっこいいと言われていたが、まるでモテなかったこの俺に


彼女ができたのである。


それはつまり、彼女からしてみれば俺は「彼氏」という事になり


彼女の友達からは「彼氏さん」と呼ばれる立場になったという事にほかならず


それはもう、顔がニヤけっぱなしなのである。


しかも、その彼女が今日家に遊びに来るってんだから穏やかじゃない。


想像して欲しい。


彼女が家に来るって事はどういう事か。


それはつまり、場合によってはそういう、その、何とも言えない


うふふな展開になったりなんかしちゃったりするかも、って事だからね。


ちなみに夜まで母ちゃんも父ちゃんもいない。


無論、拙者のテンションはマックスの助でござる、フゥーッ!!!


+++


午後2時ころ、家のチャイムが鳴る。


燃えたぎる心をグッと抑え彼女をクールにお出迎え。


リビングに彼女を通し、お茶を出す。


「ごめんね、冷蔵庫見たら麦茶しかなくて」


「ううん、ありがとう。あとケーキ作ってきたから良かったら一緒に食べよう」


「え、作ってきたって手作りってこと?」


「うん、そうだよ。男くん前にチーズケーキが好きって言ってたでしょ」


そう言うと彼女は箱からケーキを大事そうに取り出した。


テーブルに並んだ2つのチーズタルト。


きっと昨日の夜一生懸命作ってくれたのだろう。


俺なんかのために時間をさいて。


その気持ちがたまらなく嬉しかった。


フォークを取り行くつもりだったはずが、気付くと俺は彼女を手をにぎりしめていた。


「お、男くん?」


「あ、ごめん」


俺はとっさに手を離した。


「嬉しすぎてつい女さんの手握っちゃった。何やってんだろ俺」


「ちょっとびっくりした」


「ごめんね。でもまじでケーキ嬉しかった」


「うん」


「好きだよ。俺女さんのことまじで大好き」


「男くん・・・」


俺はあらためて彼女の手をとった。


すると彼女はゆっくり目をとじた。


俺は彼女に吸い込まれるように近づいた。


その瞬間、扉の方から物音が聞こえた。






ガタガタッ






0004.jpg


雰囲気ぶち壊しの助でござる。
NEW / TOP / OLD
●トナリグミ  ●Author→組長

  ●Designed by MACAREO
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。