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コピペミドル。


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疲れていたのだろう。
人もまばらな電車の中で、僕はうたた寝を始めていた。次に気付いた時には、降りようと思っていた駅を通り過ぎていた。でも、今日は休みだ。時間に追われているわけでもない。僕は焦る事なく次の停車駅で降り、引き返すための電車に乗った。


車内に入ると、ドアガラスに映る自分の姿が目に入った。パーカーに短パン姿。普段のスーツ姿もさえないが、鏡越しに見える自分の間抜けな格好に思わず吹き出した。まぁ、CD買いに行くだけし、たまにはこういうゆるい感じもいいかな。なんて事を思いながら席についた。そして、首にさげたままだったウォークマンのイヤホンを装着し大好きなチャゲアスを聞く事にした。


しかし、どうだろう、いくらウォークマンを操作しても一向に音が聞こえてこなかった。電池が切れているわけでもないし、音量が最小になっているわけでもない。なぜだかウォークマンから声が聞こえてこなかった。僕は、大好きなチャゲの声がなかなか聞けない事にいらだち音量のつまみを最大にした。すると、かすかにチャゲの声が聞こえた




余計なものなどぉ、ないよねぇ~♪

    うぁあ全てがぁ、君と僕とのぉ~♪





かすかだが、確実に僕のウォークマンからだ。しかし、なんでこんなに音が小さいんだ。私は、不意にイヤホンをとった。そして、手に持って見た。




パーカーのヒモだった。




パーカーの首元から出てるヒモの先端。引っ張っても抜けないように先端で一回結んである部分を、僕は耳に装着していた。状況を把握した僕は一気に恥ずかしくなった。そして、見られてないか周りを見回した。みんな、僕を見ていた。イヤホンを首にさげたままで、なぜかパーカーのヒモを耳につっこんでいた痛い僕をみんなが見ていた。


かすかに聞こえていたチャゲの声は、本当のイヤホンからの音漏れだったが、今となってはそんな事はどうでもよい。「余計なものなどない」そう、チャゲは言うが、この時ばかりはパーカーのヒモが余計だった




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(終)
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