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こちらスネーク


引き続き敵アジトに潜入している


大佐、前回は完全に失敗だった


申し訳ない


ビニール袋に身を隠したのはいいが、動く度にガサガサしてすぐに居場所がバレてしまった


今回はなんとか名誉挽回したいと思っている


信じてくれ、俺は同じ失敗をしない男だ


今回の潜入は自信がある


見てくれ大佐


前回と違い、いくら動いても音は一切しない






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だろ?







どうして私が怒っているかわかる?


何か重大な事を忘れてない?


あなた今日仕事から帰ってきて何をした?


よく思い出して。


あなたは帰ってくるなりすぐにお風呂に入ったよね。


その後、冷蔵庫から冷えたビールを取り出しテレビを見ようとした。


まあ、お風呂やビールはいいとして、


テレビっておかしくない?


それより先にする事があると思うんですけど。


まだわからないの?


じゃあ、もっとわかりやすく教えてあげる。


玄関でお出迎えをしてから、あなたのそばを片時も離れなかったわたしを差し置いて


テレビを見ようとするのはおかしくないですか?


申し訳程度に一度頭をポンとなでたきり。


いくら足もとにすり寄っても抱擁タイムなしってどういう事?


わたしはテレビ以下なの?






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今ごろ謝ってもリモコンは渡さないわよ。






悪いのはご主人だと思っている。


いつもならちゃんと指示を出してくれるのに、


今日は何も言ってくれなかったから。


僕だって本当はこんな風にはしたくなかった。


いつものお利口な僕のままでいたかった。


どうして「待て」と言ってくれなかったの?


待て、とさえ言ってくれればいつまでも待ったのに。


何も言わずにどこかへ行ってしまったら、


ハンバーガーを置いてどこかへ行っちゃったら、


そりゃ、僕の分かな?


って思うでしょ。


いただきます!


ってなっちゃうでしょ。






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でもね、飲み込む前に思いとどまったの。


いや待てよ、って。


これは食べちゃいけないものなんだぞ、って。


思いとどまったの。


だから、


そこはホメて。






幼馴染が海外へ転校する事になった。


お父さんの仕事の関係で急きょ引っ越す事になったそうだ。


その話を聞いたとき、俺の心に大きな穴が開いた気がした。


幼馴染は俺より1つ年下の女の子で、小さい頃からずっと一緒だった。


何をするにも俺の後ろにくっついて離れようとしなかった。


振り返ればいつも幼馴染の笑顔があった。


きっと近くにいすぎて気づかなったのだろう。


俺は彼女が好きだ。


彼女が遠くへ行ってしまうとわかって、ようやくその気持ちに気が付いた。


しかし


彼女はあと数時間でアメリカに出発してしまう。


次いつ日本に帰ってくるかわからない。


もしかしたら一生会えないかもしれない。


なんでもっと早くこの気持ちに気づかなかったんだ!


バカだ!


俺は大バカ野郎だ!


気付くと俺は駅に向かっていた。


おそらく出発には間に合わない。


でも向かわずにはいられなかった。


空を見上げると一面の青空が広がっていた。


「翼があれば飛んで行けるのに・・・」


思わずそんな事ををつぶやいてしまった。


すると、


肌触りの良い秋風が吹き抜け、


一台の車が目の前に現れた。






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「翼は無いけど車ならまだ間に合うよ、早く乗りな!」






長い長い冬を超え


ようやく俺に春が訪れようとしていた。


ついに彼女ができたのである。


お母さんにはかっこいいと言われていたが、まるでモテなかったこの俺に


彼女ができたのである。


それはつまり、彼女からしてみれば俺は「彼氏」という事になり


彼女の友達からは「彼氏さん」と呼ばれる立場になったという事にほかならず


それはもう、顔がニヤけっぱなしなのである。


しかも、その彼女が今日家に遊びに来るってんだから穏やかじゃない。


想像して欲しい。


彼女が家に来るって事はどういう事か。


それはつまり、場合によってはそういう、その、何とも言えない


うふふな展開になったりなんかしちゃったりするかも、って事だからね。


ちなみに夜まで母ちゃんも父ちゃんもいない。


無論、拙者のテンションはマックスの助でござる、フゥーッ!!!


+++


午後2時ころ、家のチャイムが鳴る。


燃えたぎる心をグッと抑え彼女をクールにお出迎え。


リビングに彼女を通し、お茶を出す。


「ごめんね、冷蔵庫見たら麦茶しかなくて」


「ううん、ありがとう。あとケーキ作ってきたから良かったら一緒に食べよう」


「え、作ってきたって手作りってこと?」


「うん、そうだよ。男くん前にチーズケーキが好きって言ってたでしょ」


そう言うと彼女は箱からケーキを大事そうに取り出した。


テーブルに並んだ2つのチーズタルト。


きっと昨日の夜一生懸命作ってくれたのだろう。


俺なんかのために時間をさいて。


その気持ちがたまらなく嬉しかった。


フォークを取り行くつもりだったはずが、気付くと俺は彼女を手をにぎりしめていた。


「お、男くん?」


「あ、ごめん」


俺はとっさに手を離した。


「嬉しすぎてつい女さんの手握っちゃった。何やってんだろ俺」


「ちょっとびっくりした」


「ごめんね。でもまじでケーキ嬉しかった」


「うん」


「好きだよ。俺女さんのことまじで大好き」


「男くん・・・」


俺はあらためて彼女の手をとった。


すると彼女はゆっくり目をとじた。


俺は彼女に吸い込まれるように近づいた。


その瞬間、扉の方から物音が聞こえた。






ガタガタッ






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雰囲気ぶち壊しの助でござる。
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●トナリグミ  ●Author→組長

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